司馬遼太郎の「坂の上の雲」全8巻を読み終えました。
1巻から3巻目までは秋山兄弟と正岡子規が同じくらいの割合で登場していましたが、それ以降は日露戦争の話に終始しています。別の小説にしてもおかしくないかとも思いましたが、8巻全てを読めば明治中期の日本の置かれた状態がよく理解できます。
日露戦争は、貧乏な小国が超大国に挑むという絶対的に不利な状況であったわけです。それでも戦争に突入したのは、まさに国を守るためにやむを得なかったからでしょう。
そんな状況でも、日本軍は軍隊としての規律をよく守り、ここの兵士の精神的強さがロシアを上回ったのが勝利の大きな理由のようです。
軍事物資は明らかに不足していたにもかかわらず精神面で相手を凌駕できたことは、やはり現在でも見習うべき点であると思います。というより、現在のような物余りの時代にこそ、回顧し、原点を思い出すべきなのかもしれません。
今現在は確かに裕福な時代だと思いますが、近い将来、食物の奪い合いが行われるかもしれません。そうした状況に陥ったとき、果たしてどのような対応をすればよいのでしょうか?
恐らく政治力や経済力、ましてや武力などで解決できる問題ではないと思います。だとすれば、一人一人の精神力で乗り切るしかないでしょう。
ただ、当時と明らかに違うのは、当時の人たちは「夢」を持っていました。しかも、その「夢」は社会の中での自分の役割に直結していたわけです。翻って現在を見ると、フリーターやニートなど社会で夢をもてない若者が多く、この点が全く違っているようです。
つまり、精神力を鍛えるにしても、社会での自分の役割が見えなければ「夢」なんて持てるわけがありませんよね。ここが一番の問題だと思います。
アメリカ型の自由競争社会も結構ですが、政治家や役人にはもっと夢の持てる社会を構築してほしいと思います。まあ、あんまり期待はしていませんが、とりあえずはそういった議論が見えてくるだけでもいいんですけどね・・・・
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